2022年 年間テーマ
今年の年間テーマ「人類調和の世界に挑む新しき日本の羅針盤を創造する」には、ゼミ生全員の今年学びたい事柄に対する、沢山の思いが込められています。
2022年2月24日、ロシアのウクライナ侵攻を境に世界の様相は一変し、いまや両国間の地域紛争に留まらず、第三次世界大戦を予感させるような世界規模の大混乱へと発展しました。その影響は遥か9,000㎞離れた日本周辺の安全保障環境や日本人一人一人の生活にも及んでいます。私たちは今度の事件をきっかけに、「国際安全保障」「メディア」「グローバリズム」の3つの視点から問題意識を持ちました。
1つ目はウクライナ侵攻がもたらした国際安全保障への影響に関するものです。常任理事国ロシアによる侵攻という事態に国連の集団安全保障機能は発揮されず、ロシアに対する国際法違反への非難と同時に取り組まれるべき紛争調停は大国間の相互不信の前にほとんど進展を見せていません。
2つ目はメディア情報の信頼性に関するものです。例えばウクライナ侵攻については、数多くの不確かな情報が飛び交っています。またロシアによるフェイクニュースによって情報統制もされた結果、私たちはメディアに踊らされ、偏った情報ばかり与えられる危険にさらされています。メディアが世界に与える影響力についても考えなければなりません。
最後の視点はグローバリズムの今後です。アメリカの勢力が相対的に衰退し、世界の警察としての座から降りようとしています。一方コロナウイルス感染症の流行で、各国も自国優先の立場を増進しています。今後グローバリズムは衰退のフェーズに突入するのでしょうか。今後の動向は、国際社会の将来にとって看過できない影響をもたらすに違いありません。
以上三つの視点から、私たちは国際政治を分析し、それぞれについて日本に求められる役割、日本の選択に検討を加え、現状の国際社会に立ち向かう日本の主体的かつ自律的な戦略について考えて参ります。
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